2015年11月10日火曜日

伝えることの難しさ

『はじめての福島学』の感想で
本旨ではなく論じ方についてあれこれ思ったのは

「郡山コミュニティーラジオ・ココラジ」で録音放送された
第5回市民科学者国際会議・2日目の講演 

岡山大学の津田敏秀先生が
主に放射線を研究する科学者間での情報交流や精査について
「説得や弁論を成り立たせるにはどのような要件が必要か」
ということについて語るのを聞いたところだったから

師曰く、

アリストテレスの哲学によれば
エートス(聞き手が論者にある印象をもつ)
パトス(聞き手の感情が動かされる)
ロゴス(証明による説得)
が必要であると

ロゴス=データーを用いることは必須であるとしても、それだけではない、
という点で、「自分も磨いていかなければなりません」と
笑いを誘っておられたのが印象的で

私も気をつけよ~(/_;) と思いつつ
こんなにも違和感をもたらした今回の開沼博さんの手法はどうだろうか?
と考えずにはいられなかったのでした


あわせて思い浮かべるのは語り上手な方々のこと

開沼さんが『はじめての福島学』で示したような
データにもとずく「事実」プラスアルファについて
私はこちらの生協「あいコープ」を通じて教わることが多いのですが

それはとても穏やかな、対話を交えてのもので
私が発する疑問ひとつひとつに丁寧に、現段階での解、として答えをいただき

その対話がこれからも継続される環境にある、ということが
この街で暮らす上での最大のラッキーであり、
安心感をもたらしてくれるものだと思うにつけ。。。

対話と語りの手法を精査することの重要性を考えずにはいられません


難しいけど

穏やかに、科学的に、建設的に
というのがいいなぁ


一冊の本から深まりました、のハナシでした(*´∀`*)